魚の願い
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漁師は網を挙げた。魚が入っていた。肉付きのよい魚だった。その魚は口に何かをくわえていた。それは一本の包丁だった。魚の目は訴えていた。「刺身にして」漁師はつぶやいた。「俺はお前を煮付けにしたいんだ」そして、漁師はその魚を海に帰した。魚は時々漁師を振り返りながら、包丁をきらめかせて海底へ消えていった。漁師はその日、仕事帰り、魚屋で魚を買い、家に帰ってそれを刺身にして食った。
ホラー
公開:26/03/08 18:20
短い読み物を書いています。その他の短編→ https://tomokotomariko.hatenablog.com/
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六井象