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「この接待で大型受注を狙う。小林の力が必要だ」
突然、接待に駆り出された文具メーカー技術職の私。「下戸なんです」と断ろうとすると「酒は俺が飲む、君はただコレで…」
手元のペンを眺めた。
「本当に『書く』だけでいいんですね」
「ああ、それは新商品の油性ペンを接待用に改良した酒性ペンだ。それで先方の書類を接待してくれ。君は字が綺麗だからな」
先方が到着し、和やかに接待は始まった。
酒を酌み交わす部長の横で、先方の業務で使用される様々な書類に酒性ペンで文字を書いた。
部長から「そんな堅い言葉ばかり書くな酒の席だぞ」と耳打ち。
はあ、と『滑らかでいい紙質ですね』と書いてみた。すると、みるみる書類はピンク色に変わっていくではないか。更に書き進めると枠線がグニャリと歪み始めてきた。
「小林君ペースを考えないか。まだ不慣れでね」と笑いながら「これで和らぎたまえ」違うペンを渡してきた。
水性ペンだった。
突然、接待に駆り出された文具メーカー技術職の私。「下戸なんです」と断ろうとすると「酒は俺が飲む、君はただコレで…」
手元のペンを眺めた。
「本当に『書く』だけでいいんですね」
「ああ、それは新商品の油性ペンを接待用に改良した酒性ペンだ。それで先方の書類を接待してくれ。君は字が綺麗だからな」
先方が到着し、和やかに接待は始まった。
酒を酌み交わす部長の横で、先方の業務で使用される様々な書類に酒性ペンで文字を書いた。
部長から「そんな堅い言葉ばかり書くな酒の席だぞ」と耳打ち。
はあ、と『滑らかでいい紙質ですね』と書いてみた。すると、みるみる書類はピンク色に変わっていくではないか。更に書き進めると枠線がグニャリと歪み始めてきた。
「小林君ペースを考えないか。まだ不慣れでね」と笑いながら「これで和らぎたまえ」違うペンを渡してきた。
水性ペンだった。
SF
公開:26/03/07 23:27
まずは自分が楽しむこと。
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吉田図工