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3人は旅に疲れ果てていた。
貧しい食事に、薄い防寒着。最低限の荷物だけを持ち、昼間は村々を歩いて施しを求め、ときには街角で誰も聞かない演説をする。
苦行と言えば、これほどまでの苦行があるのだろうか。
夜中は寒くて眠れない。休まるのは、寒さが和らぐ夜明けの一瞬だけ。
その僅かな安息の時を貪るように、若者は体を丸めながら眠りにつく。老人は座ったまま、頬杖をついて力尽きる。中年はちょうどいい角度の石をベッド替わりにして、体を休める。
憩いのひとときのとき。
そのときを狙って、天使が舞い降りる。天使は眠りこける3人を見てあきれ果てる。
天使は人間の苦しみを知らない。また人間も天使の放漫さを知らない。
知らないもの同士が理解しあえる日がくることは、決してない。
人間は永久に救済されない。
貧しい食事に、薄い防寒着。最低限の荷物だけを持ち、昼間は村々を歩いて施しを求め、ときには街角で誰も聞かない演説をする。
苦行と言えば、これほどまでの苦行があるのだろうか。
夜中は寒くて眠れない。休まるのは、寒さが和らぐ夜明けの一瞬だけ。
その僅かな安息の時を貪るように、若者は体を丸めながら眠りにつく。老人は座ったまま、頬杖をついて力尽きる。中年はちょうどいい角度の石をベッド替わりにして、体を休める。
憩いのひとときのとき。
そのときを狙って、天使が舞い降りる。天使は眠りこける3人を見てあきれ果てる。
天使は人間の苦しみを知らない。また人間も天使の放漫さを知らない。
知らないもの同士が理解しあえる日がくることは、決してない。
人間は永久に救済されない。
その他
公開:26/03/07 08:58
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齊藤 想