第4話:ソンム1916 ― 工業が殺戮を量産する

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1916年7月1日、夜明け。
フランス北部、ソンム川。

地平線の向こうでは、一週間にわたり砲撃が続いていた。
百万発の砲弾が大地を砕いた。

将校が腕時計を見る。
笛が鳴る。

兵士たちが塹壕から這い出し、
敵陣へ向かって整列したまま歩き出す。

その瞬間、
ドイツ軍の機関銃が火を吹いた。

兵士が倒れる。
また倒れる。
また倒れる。

しかし後ろから、次の列が進んでくる。

カメラはその列を撮る。
終わりのない前進。
終わりのない死。

この日、数時間で二万人以上が命を落とした。

工場は弾薬を作り、
鉄道は兵士を運び、
機関銃は死を量産する。

戦場は巨大な工場になった。

戦争は、
工業の速度で回り始める。

効率はいつ
倫理を越えるのだろうか。
その他
公開:26/07/29 21:00
更新:26/03/05 04:50
#カメラが見た戦争

問い屋

問いを描くショートショートを書いています。
 
その違和感を、
まだ持ったままの人へ。
 
問いの続きを、ここにまとめています。

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