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昨日までの自分の体温が懐かしい。

その懐かしいの欠片をおふとんでくるみ、
冷たくならないようにしてやる。

夜は一緒に寝て。
朝だって、ともに目覚める。

約束した間柄のふたり、みたいに。
いつも、いつも―

風が小さな蕾をなで、その蕾をスズメがもてあそぶ
スズメは、カラスに狙われていることには気がつかなくて―

いつの間にか、青かった視界に色がつき、
人々や動物たちがうごめきはじめる、そして植物も。

ああ、そろそろ春かな。
おふとんのなかに声をかける。

懐かしいあの体温は、消えていた。

あたたかな日差しが、かわりに部屋のなかを走る。










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その他
公開:26/03/03 11:15

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