あの子がいるから帰れない

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帰り道、またあの子が、いた。
赤いランドセルをせおった女の子。たぶんわたしと同じ3年生くらい。
あと少しで家にたどりつくけど、その女の子とはち合わせになるのがこわくて、遠回りしてから家に帰る。こんな日が、1週間もつづいている。
どうしてこわいのかというと、わたしの知らない女の子だから。
きっと、ちがう学校に通っているけど、理由があって、家に帰りたくないんだ。テストの点がひどかったり、ともだちとけんかしたのかも。
かわいそう。でも、わたしにできることはないな――そう考えていたら、あの子が、わたしの目の前にいた。
「あなたのお家、もらっていい?」
なにをいっているんだろう? 
わたしは聞こえなかったふりをして横をとおりすぎる。
だけどそこに、わたしの家はなかった。
「⋯⋯ここ、どこ?」
「今日から、とりかえっこしようね」
女の子は笑いながらわたしのかたをたたいて、げんかんに入っていった。
ホラー
公開:26/03/04 21:39
更新:26/03/04 21:48

いちいおと

☆やコメントありがとうございます✨

作品のイラストはibisPaintやAIで作成しています。

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