第22話:湾岸1991 ― 戦争がテレビ番組になる

0
1

1991年。
夜のバグダッド。

テレビの画面には、
緑色に光る夜空が映っていた。

暗闇の中を
ミサイルが光の筋となって走り、
遠くで爆発が起きる。

カメラはその映像を、
衛星中継で世界へ送り続けた。

戦場の夜空は、
リアルタイムで
世界中の居間に届く。

人々はソファに座りながら、
遠い国で起きている破壊を
テレビの画面で見つめていた。

衛星通信は
戦争を「生中継」へ変えた。

世界中の人間が、
同じ戦争を
同じ時間に
同じ映像で見る。

戦争は
戦場だけで起きるものではない。

テレビの中でも
戦争は始まり、
テレビの中で終わる。

戦争は映像になった。

戦争はいつから
映像になったのだろうか。
その他
公開:26/09/30 21:00
更新:26/03/05 06:20
#カメラが見た戦争

問い屋

問いを描くショートショートを書いています。
 
その違和感を、
まだ持ったままの人へ。
 
問いの続きを、ここにまとめています。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容