ホームラン
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「僕が今度の試合でホームランを打ったら、手術を受けてくれるかい」
A球団のO選手は、病室の窓辺に立ってそう言った。
白い天井を見つめていた少年は、ゆっくりと彼を見上げる。そして、小さく頷いた。
『O選手、打ちました! 入るか、入るか――、入ったー!! ホームラン! A球団、さよなら勝ち!!』
歓声が弾ける。笑い声、ジョッキのぶつかる音。そして紙幣を数える乾いた音。
部屋の隅で、男が崩れ落ちた。手には、診断書と請求書。そのあいだに挟まれた一枚の写真。ランドセルを背負った少女が、歯を見せて笑っている。
歓声は広がり、札を数える音も続いている。
男のまわりだけが、静かだった。
A球団のO選手は、病室の窓辺に立ってそう言った。
白い天井を見つめていた少年は、ゆっくりと彼を見上げる。そして、小さく頷いた。
『O選手、打ちました! 入るか、入るか――、入ったー!! ホームラン! A球団、さよなら勝ち!!』
歓声が弾ける。笑い声、ジョッキのぶつかる音。そして紙幣を数える乾いた音。
部屋の隅で、男が崩れ落ちた。手には、診断書と請求書。そのあいだに挟まれた一枚の写真。ランドセルを背負った少女が、歯を見せて笑っている。
歓声は広がり、札を数える音も続いている。
男のまわりだけが、静かだった。
ホラー
公開:26/02/28 12:05
更新:26/02/28 16:19
更新:26/02/28 16:19
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