微笑み

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 午後、いつものように近所の美術館に行く。着くと、美術館の裏口の方から、中華料理屋の出前のバイクが走ってきて、去っていった。受付で年間パスを見せ、中に入る。そして、いつものように、その貴婦人の肖像画の前に立つ。貴婦人は額縁の中で、こちらに微笑んでいる。いつも美しい歯を見せているはずのその口はしっかりと閉じられている。ということは、この貴婦人は、今日はギョーザを食べたらしい。
ファンタジー
公開:26/02/28 06:52

六井象

短い読み物を書いています。その他の短編→ https://tomokotomariko.hatenablog.com/

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