王都は人材不足らしい

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「まだ剣を振れます!」

レベル58、片腕でも大剣可。
書記官は凍傷の欄を見て言う。
「両腕フル可動が必須でして」

天井の漆喰がぱらりと落ちた。



「全属性いけます!」

火水風土光闇、生活魔法も可。所属多数。

「定着率を重視しております」

水晶球の光が曇る。



「昼の四刻なら働けます!」

弓術A、薬草S、双子持ち。

「常勤のみ。夜警含む。ドラゴンは深夜に来ます」

城壁の向こうで黒い影が横切る。



王は嘆く。
「勇者が足りぬ。人材不足だ」

城門前、三百人。

※求む勇者
二十〜四十歳/離反歴ほぼなし
常勤可(転生含む)
即戦力/長期従軍前提

掲示板は理想を掲げたまま動かない。
列だけが伸びていく。

王都に足りぬのは、勇者ではなく、
条件を下げるという一行だった。
ファンタジー
公開:26/02/24 19:00

問い屋

問いを描くショートショートを書いています。
 
その違和感を、
まだ持ったままの人へ。
 
問いの続きを、ここにまとめています。

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