古式の剣

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「それ、まだ使っているんですね」

訓練場で、若い騎士が少し笑った。

俺の剣は古式だ。
柄は太く、重い。

刃は何度も研ぎ直している。
芯だけが残っている。

柄の内側には、小さな傷がある。
俺が初めて握った日のものだ。

「今は軽量型が主流です。振りも速いですし」

若い騎士は新式の剣を振る。
風が裂ける。

俺は古式の柄を握る。

「ああ。まだ使っている」

「折れませんか?」

「折れる。だから直す」

若い騎士は一瞬だけ黙る。

「俺のは、折れたら終わりです」

その夜、鍛冶場で刃を撫でる。

重い。
確かに重い。

火を入れ直す。
ほんの少しだけ、重心を削る。

翌朝、試し斬り。

振りは遅い。
手に、鈍い衝撃が残る。

若い騎士の軽い一振りが、
空気をまっすぐに裂いた。

俺は剣を握り直す。

重さは、残す。
ファンタジー
公開:26/03/01 19:00

問い屋

その違和感を、
まだ持ったままの人へ。
問いの続きを、ここにまとめています。

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