転生鍛冶師、火を弱める

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「また量産ですね」

受付のエルフは事務的に言った。

俺は転生鍛冶師だ。
前世は営業。今世は職人。

速く、安く、規格通り。
それが正解だった。

「性能は問題ありません」

彼女は剣を確かめ、帳面を閉じる。

「最近は新人が多いので」

それだけ残して、去った。

その夜、炉の前で一本の剣を握る。

昨日来た少年は、
柄を両手で持っていた。

少し、重そうだった。

火を、わずかに弱める。

刃を、紙一枚分だけ削る。

帳面の基準を思い出す。

ぎりぎり、収まるはずだ。

翌朝、剣を渡す。

少年は握り直し、
小さく息を吐いた。

「……ちょうどいい」

帳面の数字は変わらない。

だが俺は、
基準のほうを少しだけ疑い始めていた。
ファンタジー
公開:26/02/28 19:00
更新:26/02/25 21:01

問い屋

その違和感を、
まだ持ったままの人へ。
問いの続きを、ここにまとめています。

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