転生勇者、奉仕ポイントを貯める

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俺は転生勇者だ。

だが今日は魔王討伐じゃない。

「今月の奉仕ポイント、まだゼロですね」

「魔物は倒したぞ?」

「それは討伐です。奉仕ではありません」

王都では祝福値が可視化される。
腕輪が光れば、誰かの役に立った証だ。

俺は孤児院の壁を直し、
回復魔法をかけ、
道のゴミを拾った。

腕輪は強く光った。

「これで満点か?」

エルフは首を振る。

「勇者様、光は“見られた時”に強くなります」

俺は振り返る。

誰も見ていない。

腕輪は、少しだけ色を失った。

交差点で転びかけた子どもを支える。

今度は、誰も見ていなくても光った。

「……加算式じゃないって、こういうことか」

腕輪は、まだ淡く揺れている。

俺は次に、誰の名前を呼べばいいんだろう。
ファンタジー
公開:26/02/27 19:00
更新:26/02/25 09:02

問い屋

その違和感を、
まだ持ったままの人へ。
問いの続きを、ここにまとめています。

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