夏の思い出
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夏、太陽がやっと沈み、夜が来た。俺は散歩に出かけた。途中で、街の喫煙スペースに立ち寄った。扉を開けると、眩しかった。目をこらすと、さっき沈んだばかりの太陽がいた。タバコを吸っている。俺は会釈をした。太陽も会釈を返した。「お疲れ様です」俺が言うと、太陽は「どうも」と答えた。「今日も暑かったですね」「申し訳ない。それが仕事なもんで」「夏ですもんね」「そうなんですよ」俺はポケットからタバコを取り出した。そして、火をつけようとした時、ライターを忘れたことに気づいた。俺は太陽に言った。「すみません。火を貸してください」すると太陽は自らの体を近づけてきた。「私で火をつけてください」「いいんですか?」「どうぞどうぞ」「何だか恐れ多いなあ」俺は太陽でタバコに火をつけた。すぱーっ。何だかいつもより美味く感じた。これが、今年の夏の、俺の一番の思い出だ。
ファンタジー
公開:26/02/21 14:54
短い読み物を書いています。その他の短編→ https://tomokotomariko.hatenablog.com/
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六井象