テリアさん @016

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あんまんをたべ終えたキミが本棚に近づく。一冊を手に取り、けれど開かない。本棚の端によりかからせ、本を傾かせて置く。

―まっすぐ置いてるより、よりかからせてほどよく傾いてるほうが、本がちょっぴり微笑んでいられる気がしない?

―まっすぐのほうがいいんじゃない?

とぼく。

―ななめもいいもんだよ

やさしい声でキミがぼくに言う。

―あんまんたべて冬が来たね

―肉まんでも冬は来るでしょ

とぼく。

―あんまんがいいよ

キミはゆずらない。

―寒いね、桃色の和菓子をたべたら、春が来てくれるけど

キミが窓の外を見つめながら言う。ぼくに言っているのか、窓の外に言っているのかわからない。それでも、ぼくは答える。

―それはまだまだ先の話でしょ

―春なんてあっという間だよ、あっという間に卒業だよ

キミが言ったとおり、ぼくたちは、あっという間に卒業してしまった。




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青春
公開:26/02/20 02:41

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