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私は玉子と一緒に生まれた影。私の主は心の大きな小鳥だった。巣の中では三羽の弟達は首を伸ばし、親の嘴を待っていた。彼は一片の餌さえ弟達に渡し、小さな体だった。

或日一瞬にして、烏が舞い降り弟の一羽をさらった。
親鳥の涙は夜露の様に止まらなかったが、彼は歌った。胸の奥の魂を震わせながら、二羽を励まし続けた。
やがて烏ではなく烏の影を討つと誓った。

影は光の裏側に住む、私は影としての力を出した。
三つの影は烏の足元へ忍び寄り、つつく影を。烏の影は悲鳴をあげ、烏から剥がれ落ちた。
その時、影を失った烏の顔に拳が一斉に飛ぶ。烏は涙し遠く山へ逃げ去り、二度と戻らなかった。

雪が溶け、木の実も実り、小鳥達は逞しく育った。雪の匂いが風に混じる頃、旅立ちの日が来た。
群れの先頭には、私の主。その足元で私は影達の列を整える。
光があれば、影は必ずついてゆく。
小鳥の体にぴたりと寄り添い、さあ~今出発だ。
ファンタジー
公開:26/02/18 12:53

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