それぞれのキャリア
0
1
プライベートのテレビタレントが街を歩いていると、少女がそのタレントに気づき、声をかけた。タレントは愛想よく応じた。
「あたしあなたの大ファンなんです」
少女が言う。
「そうなの、ありがとう」
「サインください」
「いいわよ」
少女は鞄から、ペンを取り出す。
「何にサインすればいいのかしら」
少女は鞄から一匹の白い蝶を取り出す。
「この子の翅にお願いします」
「この蝶はどうしたの」
「あたしが作ったんです」
蝶は弱々しく息をしている。
「初めて作った生命だからあんまり出来はよくないけど」
「へえ、そうなの」
タレントは蝶の白い翅に小さくサインをする。
「ありがとうございます」
「これからも頑張ってね」
タレントは声をかける。
「はいっ、頑張ります」
三十年後、そのタレントは、少女が設立した会社のCM撮影で、自身のクローンたちに囲まれて笑顔を見せている。
「あたしあなたの大ファンなんです」
少女が言う。
「そうなの、ありがとう」
「サインください」
「いいわよ」
少女は鞄から、ペンを取り出す。
「何にサインすればいいのかしら」
少女は鞄から一匹の白い蝶を取り出す。
「この子の翅にお願いします」
「この蝶はどうしたの」
「あたしが作ったんです」
蝶は弱々しく息をしている。
「初めて作った生命だからあんまり出来はよくないけど」
「へえ、そうなの」
タレントは蝶の白い翅に小さくサインをする。
「ありがとうございます」
「これからも頑張ってね」
タレントは声をかける。
「はいっ、頑張ります」
三十年後、そのタレントは、少女が設立した会社のCM撮影で、自身のクローンたちに囲まれて笑顔を見せている。
SF
公開:26/02/19 08:36
短い読み物を書いています。その他の短編→ https://tomokotomariko.hatenablog.com/
コメントはありません
ログインするとコメントを投稿できます
六井象