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白いシクラメンの鉢を買ったのは、秋の終わり頃。
葉は深緑で花弁は雪の様に透き通り、息を潜める様に咲いていた。居間の窓辺に置くと、朝陽に輝き部屋全体が澄んだ。
けど、ふとした瞬間に、一つではどこか寂しそうだ。
或日真っ赤なシクラメンに出会った。炎のように鮮やかで、花弁は力強く直接語りかけて来る様な。迷わず買うと白の横に並べた。
その日から不思議なことが起こり始めた。最初は小さな違和感だった。
でも朝になると、白の花が少し赤の方へ向いている。翌日には赤の方も僅かに白へ傾いている。
眠れず或る晩、居間へ行くと月明かりの中で二つの鉢が淡く光っている。
白は雪の精のように淡く青白く、赤は炭火のように静かに赤く。
何かが聞こえた。寂しかったと、白い花。私も探していたの、温かな声は赤い花からだ。一瞬息をのんだが怖くはなかった。
二つの鉢の間から、見えない赤い糸のような光が伸び、やわらかく絡み合っている。
葉は深緑で花弁は雪の様に透き通り、息を潜める様に咲いていた。居間の窓辺に置くと、朝陽に輝き部屋全体が澄んだ。
けど、ふとした瞬間に、一つではどこか寂しそうだ。
或日真っ赤なシクラメンに出会った。炎のように鮮やかで、花弁は力強く直接語りかけて来る様な。迷わず買うと白の横に並べた。
その日から不思議なことが起こり始めた。最初は小さな違和感だった。
でも朝になると、白の花が少し赤の方へ向いている。翌日には赤の方も僅かに白へ傾いている。
眠れず或る晩、居間へ行くと月明かりの中で二つの鉢が淡く光っている。
白は雪の精のように淡く青白く、赤は炭火のように静かに赤く。
何かが聞こえた。寂しかったと、白い花。私も探していたの、温かな声は赤い花からだ。一瞬息をのんだが怖くはなかった。
二つの鉢の間から、見えない赤い糸のような光が伸び、やわらかく絡み合っている。
ファンタジー
公開:26/02/15 11:17
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gonsuke