あるいはそれは
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「すみません。……すみません……。……あの、あ、す……すみませんが……」真夏の公園である。一人のおじさんが、木の幹に話しかけている。そこには一匹のセミがとまっている。おじさんは、手に首吊り縄を握りしめている。「あの……えっと……あの……す、すみませんが、あの……」おじさんはその木で首を吊りたいのだ。そのためにセミにどいてほしいらしい。だがセミはずっと動かない。あるいはそれはセミの優しさかもしれない。
ホラー
公開:26/02/16 18:11
短い読み物を書いています。その他の短編→ https://tomokotomariko.hatenablog.com/
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六井象