ね〜むれ〜♪

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「今回分です。宜しくお願いします」

オトムシリの青年から膨れた防音袋を受け取る。

「お疲れさまです」
「お疲れ様です。では、自分はこれで」

私が微笑むと青年はやや表情を和らげて去っていった。彼の仕事は意図せぬ場所に育った音の除音。除草の音版って感じ?

ここからは私の仕事。音撫で用軍手をはめて防音袋を開く。

ザザッ!!

氷柱の様な雑音の束を袋から優しく抱き上げる。傷一つない音元。オトムシリさんの誠実さが伝わってくる。
暴れる雑音をあやしつつ浴室へ向かい、私は雑音を湯船にいれた。

ザァ〜〜

ふふっ、心地よさそう。冷え切った雑音はまず温めてあげるのが大事。

ザッ♪ザッ♪

すっかりご機嫌な雑音を湯船から抱き上げてモフモフのタオルで包み、今度はゆらゆら揺れて子守唄を歌う。

…ザァ…ザザァ…

満たされた雑音の寝息は波の音。
雑音を寝かしつけ、優しい波の音に育てるのが私の仕事だ。
公開:26/02/13 07:12
ザザ系の雑音って 波の音っぽさ感じる 雑音シリーズはこれで めでたし、めでたし

ネモフィラの旅人( 風の向くまま )

旅人なのでいたりいなかったりします

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