③活字五百

0
1

印刷工房。窓は曇っている。
枠に鉛を並べ、刷り台を引く。

音は一定で、インクの匂いが床に落ちる。
紙束の端が揃い、乾く前に次の紙が重なる。

棚に「聖書」と書かれた札。
中身の区別はない。束の高さだけが変わる。

一枚だけ、端がわずかにずれている。

五百部目も、同じ一文だった。
その他
公開:26/05/24 19:00
更新:26/02/13 20:59
静かに線が引かれる

問い屋

問いを描くショートショートを書いています。
 
その違和感を、
まだ持ったままの人へ。
 
問いの続きを、ここにまとめています。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容