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朝、雪が積もっていた。
音が消えている。
庭も道も、昨日の続きを忘れたようだ。

向かいの家の子どもが外に出て、声を上げた。
白い息を弾ませ、
足跡を試し、
転ぶ理由を探している。

その声で、
屋根の雪が一度だけ落ちた。

私は窓を開け、
積もり具合を測った。
動線、買い物、転倒、
今日一日の重さを数えた。

胸が少しだけ沈む。
理由は説明できる。
だから、言葉にしない。

子どもは雪を投げ、
すぐ濡れ、
すぐ忘れる。

私は雪を見て、
先のことを考え、
それもすぐ忘れた。

雪は同じように降り、
同じように積もる。

上を向くか、
下を見るかで、
年齢が分かる。

それだけの朝で、
足りていた。
その他
公開:26/02/08 09:05

問い屋

その違和感を、
まだ持ったままの人へ。
問いの続きを、ここにまとめています。

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