工場の森

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アスファルト路面を歩いて広い石の門に着いた。無愛想な守衛が差し出す用紙に名前と日時と用件の項目に「散策」と書いて渡す。白い事務棟の手前で曲がるとまっすぐに工場の方に進む。太くまた細いパイプラインが頭上にかかる。金属の円筒容器がいくつも並ぶ。ところどころにしゅうしゅうとガスが出る。水蒸気だろう。人は見かけない。カラフルな煙突が何本も空に突き刺さる。コンクリートの棟が乱雑に並ぶ間をパイプが走る。ごとごとと走るフォークリフトは無人運転。あちこちにLEDが点滅する。空が暗くなってきた。今日はまだ帰らない。通路の溝を跨いで建物に入り鉄板の梯子段を上る。入口でエアシャワー。置いてあるクリーンスーツを着て中に入る。真っ白なガラス張りの部屋。工場の様子が一望できる。夜にはいろんな照明が灯るだろう。他に訪問者はいない。今夜はここに泊まる。一人きりで工場の森を楽しもう。噴き出す炎や花火が見られるかもしれない。
その他
公開:26/02/09 18:59

たちばな( 東京 )

2020年2月24日から参加しています。
タイトル画像では自作のペインティング、ドローイング、コラージュなどをみていただいています。
よろしくお願いします。

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