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昔、どんな声も聞こえる頭巾があった。
木の愚痴、獣の噂、人の本音まで拾うという。
若者はそれを被り、村を歩いた。
最初に聞こえたのは、井戸の底の咳払い。
次は、石垣の文句。
遠くで、誰かが自分の悪口を言っている。
若者は立ち止まり、頭巾を深くかぶり直した。
耳を澄ませば澄ますほど、音は増えた。
助言、忠告、予言、言い訳。
頭がいっぱいになった。
やがて、何も選べなくなった。
進めば止める声がし、止まれば急かす声がする。
若者は頭巾を脱ぎ、道に置いた。
その瞬間、静かになった。
自分の足音だけが聞こえる。
一歩、踏み出す。
翌日、村人がその頭巾を拾った。
中から声がした。
「よく聞こえますか?」
誰も答えなかった。
木の愚痴、獣の噂、人の本音まで拾うという。
若者はそれを被り、村を歩いた。
最初に聞こえたのは、井戸の底の咳払い。
次は、石垣の文句。
遠くで、誰かが自分の悪口を言っている。
若者は立ち止まり、頭巾を深くかぶり直した。
耳を澄ませば澄ますほど、音は増えた。
助言、忠告、予言、言い訳。
頭がいっぱいになった。
やがて、何も選べなくなった。
進めば止める声がし、止まれば急かす声がする。
若者は頭巾を脱ぎ、道に置いた。
その瞬間、静かになった。
自分の足音だけが聞こえる。
一歩、踏み出す。
翌日、村人がその頭巾を拾った。
中から声がした。
「よく聞こえますか?」
誰も答えなかった。
ファンタジー
公開:26/02/09 07:00
更新:26/02/06 04:15
更新:26/02/06 04:15
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