親友論

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 瀬野には西原という親友がいる。
 ある日彼から秘密を打ち明けられた。
 瀬野は落胆した。
 どうしてだ。
 瀬野は嘆いた。
 親友なのに。
 西原にとって瀬野が親友であるならば、彼にだけは絶対に知られたくないはずだ。
 秘密なんぞは他人に毛の生えた程度の存在が受け持つべきものである。
 おれの一方的な思いだった。
 屈辱。
 だが西原から離れるわけにはいかない。
 更に軽い存在になってしまう。
 瀬野は真意を隠して西原との友人関係を続けた。
 時は流れ阿鼻叫喚のネット隆盛時代に突入。
 秘密担当はSNSと生成A.I.になった。
 瀬野は立ち上がり、西原を陥れ、秘密を生み出した。
 来るな西原。
 瀬野は祈る。
 しかし無情にもチャイムが鳴り響いた。
 何故だ。
 絶望的な気持ちでドアを開けると見知らぬ男が立っていた。
「どなた?」
「代行会社の者です。西原さんの秘密をお伝えしに来ました」
青春
公開:26/02/08 00:43

ebi

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