2
5
選挙のことを思い出して投票所に行った。近所の区立図書館の二階。静かな階段を上るとドアの所でロボットが待っている。ロボットがカメラで俺を見つめる。AIロボットによる本人確認らしい。ロボットが口から舌のようにぺろりと出す投票券を受け取って室内に入る。部屋に人はいない。木製の階段が七、八段ほど誂えてあってその上に高いテーブル。そこで投票する。ぎしぎしと階段を上ると卓上の小さなロボットが手を出す。もらった投票券を渡すと用紙と鉛筆が出てきて、記入してください、と可愛い声で言う。目の前には政党のリスト。いつからか政党で投票する制度になった。昔の比例区か。可も不可もない政党の名を書くとロボットは器用に用紙を折り畳んで飲み込む。段を降りて部屋を出ると紳士淑女が「我が党に一票をありがとうございました!」俺の投票先が読まれたってこと?「いいえ、投票者の振る舞いからAIが投票先を推測する入口調査の結果ですよ」
その他
公開:26/02/07 08:54
2020年2月24日から参加しています。
タイトル画像では自作のペインティング、ドローイング、コラージュなどをみていただいています。
よろしくお願いします。
ログインするとコメントを投稿できます
たちばな