舌切り雀の話(記録)

0
1

昔、言葉を覚えた雀がいた。
老人は教えなかったが、雀は家のことをよく見ていた。
食べ物の場所、隠していた物、そして言わなかった理由。

ある日、雀はそれを外で鳴いた。
誰に向けたわけでもない。
覚えたことが、口から出ただけだった。

記録によれば、女は怒った。
悪意はなかったと整理されたが、結果として外に出た。
だから舌は切られた。
再び、鳴けないように。

雀は消えた。
老人は探したが、所在は共有されなかった。
(この時点の記録は、一部欠けている。)

代わりに箱が渡された。
選べたのは大きさだけだった。
小さい箱には生活に困らない程度のもの。
大きい箱は、理由を知る者がいなかったため開けられなかった。

後に記録が確定した。
情報は管理され、漏れたものは処分された。
善悪の判断は項目に含まれていない。

今も人は言う。
誰の声かは残っていないが、
「黙っていれば、守られた」と。
ファンタジー
公開:26/02/10 07:00

問い屋

その違和感を、
まだ持ったままの人へ。
問いの続きを、ここにまとめています。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容