完成の庭

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ある庭があった。
昔は花が咲いていたらしい。

今は、咲かない。
地面には札だけが残っている。
等間隔に、正しく。

「見事だ」
「素晴らしい」
「それでいい」

同じ言葉が、同じ字で並んでいた。

ある日、王と神が来た。
庭を一巡し、うなずいた。

王は言った。
「無駄がない」

神は言った。
「よく保たれている」

花の有無は、話題にならなかった。
札は風にも折れず、色も変わらない。

王は記録した。
「ここは完成している」

神は祝福した。
「これ以上、変わる必要はない」

その日、庭は閉じられた。

翌年、誰も来なかった。
完成した場所に、用はなかった。

札は増え続けた。
読む者はいない。
減りもしない。

管理人は毎朝、数を数える。
増えていることに、満足している。

夢は、もう数えなくてよかった。
ファンタジー
公開:26/02/28 23:00

問い屋

その違和感を、
まだ持ったままの人へ。
問いの続きを、ここにまとめています。

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