一晩の

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 21時のニュースで気象予報士が雪の心配を口にした時から、私は眠るのが惜しくなった。
 
 曇の天井をすり抜けて淡い欠片がひらひらと舞い落ちる。陽光の届かない夜ならば、真白な欠片は滲むことなく地に横たわるだろう。
 温もりを持った土の上ではきっと消えてしまう。
 何も知らないコンクリートの上でなら静かに眠れるに違いない。

 やがて太陽が目を覚まし鋭い腕を伸ばしたら、あっという間に散ってしまうのか。
 大きく広げた腕が大地の腹に降りる頃、私はようやく朝の訪れを知り雪の残した涙の跡を見て後悔するのだ。

 あのまま起きていれば良かったと。
その他
公開:26/02/04 14:46

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