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「殺さないで」
とウサギが言った。
「だけど」
と僕は口ごもった。
「わたしたちは寂しだけで死んでしまう弱い生き物で、移動手段といえば飛び跳ねることだけ。丸だけで描ける姿をしてるからって、獣じゃなくて鳥の仲間にされたせいで一羽二羽なんて数えられるんです。これは羽じゃなくて耳なんですよ」
ウサギたちは早口で一斉に輪唱みたいに話すのであやうく夜が明けそうになる。
「冷静になってください。落ち着いて。みなさん」
僕は懸命に声を張り上げたが、坂道の上の方にいるウサギまではとても届きそうもなかったし、列のそこかしこでウサギたちはどんどん増殖を繰り返している。
「全員に話しかけようとするなんて無謀だぜ」
無数の鼻がひくひくする音で鼓膜が破れそうな中、一羽のウサギが僕の足許で囁いた。
「ウサギにはマザーウサギがあるんだ」
「マ、マザー?」
しかし、ウサギはその直後にピョンと飛んで消えてしまった。
とウサギが言った。
「だけど」
と僕は口ごもった。
「わたしたちは寂しだけで死んでしまう弱い生き物で、移動手段といえば飛び跳ねることだけ。丸だけで描ける姿をしてるからって、獣じゃなくて鳥の仲間にされたせいで一羽二羽なんて数えられるんです。これは羽じゃなくて耳なんですよ」
ウサギたちは早口で一斉に輪唱みたいに話すのであやうく夜が明けそうになる。
「冷静になってください。落ち着いて。みなさん」
僕は懸命に声を張り上げたが、坂道の上の方にいるウサギまではとても届きそうもなかったし、列のそこかしこでウサギたちはどんどん増殖を繰り返している。
「全員に話しかけようとするなんて無謀だぜ」
無数の鼻がひくひくする音で鼓膜が破れそうな中、一羽のウサギが僕の足許で囁いた。
「ウサギにはマザーウサギがあるんだ」
「マ、マザー?」
しかし、ウサギはその直後にピョンと飛んで消えてしまった。
ファンタジー
公開:26/02/01 09:55
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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