一つのペットボトル

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 ある日、一つの飛行機がジャングルの上空を飛んでいるとき、パイロットが空のペットボトルを窓から投げ捨てた。
 それを拾ったのは未接触部族の男だった。
 男は、きっと神様からの贈り物だと思い込み、大喜びで集落に持ち帰った。
 集落の人々は、清浄な水のように透き通り、太陽に当たるとキラキラと輝くそれを欲しがった。
 やがて誰かがペットボトルを盗み取り、男が取り返し、また誰かが強奪し、また他の誰かが奪い去り、男が無実の人に因縁を付け言い争いになり、殴り合い、蹴り合い、殺し合い、やがて一つのペットボトルを巡る争いは集落全体に広がり、半日も経たないうちに皆死に、集落は滅んでしまった。
 またある日、一隻の船が太平洋を進んでいるとき、水夫がゴミ袋を甲板から投げ捨てた。
その他
公開:26/02/02 10:57

ウルス・ミシカ

小説を書く熊です。
↓インスタとかTiktokとか色々やってるよ。
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