爪月
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夢を諦めた。友人宅を訪ね、やけ酒に付き合わせる。
「浴びたかったな、スポットライト」
今年で二十五歳。アイドル適齢期は過ぎた。
「爪切ってあげようか」
唐突に友人が言った。
「何よ、急に?」
「綺麗な爪だから。ほら、手出して」
言われるまま手を出すと、友人は親指の爪をパチン、と切った。
彼女は窓を開け、夜空に浮かぶ三日月を摘み引き寄せた。
私は息を飲んだ。
「ちょうど、替え時だったの」と、切ったばかりの爪を放った。
白い爪が新たな三日月になった。
「見て」
八階のマンションから見下ろす街を、私の爪が優しく照らしてる。 そして、私自身も。
「スポットライトは無理かもしれないけど、これからは、自分で自分を照らしていったらどう? ここで腐ってないでさ」
私は良い友人を持った。
「…そうだね。次に進まなきゃだね」
決意を胸に見上げた夜空では、うさぎたちがせっせと黄色のマニキュアを月に塗っていた。
「浴びたかったな、スポットライト」
今年で二十五歳。アイドル適齢期は過ぎた。
「爪切ってあげようか」
唐突に友人が言った。
「何よ、急に?」
「綺麗な爪だから。ほら、手出して」
言われるまま手を出すと、友人は親指の爪をパチン、と切った。
彼女は窓を開け、夜空に浮かぶ三日月を摘み引き寄せた。
私は息を飲んだ。
「ちょうど、替え時だったの」と、切ったばかりの爪を放った。
白い爪が新たな三日月になった。
「見て」
八階のマンションから見下ろす街を、私の爪が優しく照らしてる。 そして、私自身も。
「スポットライトは無理かもしれないけど、これからは、自分で自分を照らしていったらどう? ここで腐ってないでさ」
私は良い友人を持った。
「…そうだね。次に進まなきゃだね」
決意を胸に見上げた夜空では、うさぎたちがせっせと黄色のマニキュアを月に塗っていた。
ファンタジー
公開:26/08/03 22:04
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天文のエドワード