「。」を炊く

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丹精込めた甲斐もあり、一年前に原稿用紙へ一つ一つ書いて植えた句点が見事なまん丸に育った。
弾む心で収穫して、早速目の粗めなザルで句点を大小に仕分けたら、必要な句点だけをさっと水で洗う。台所に射し込む陽光で水と句点とがシャラリと輝くこの瞬間が私は大好きだ。さて、ここからは土鍋の出番!

ぐつぐつ…ぱちぱち…

約1時間後。蓋を開けたらもわんと立ち昇るインクの香りの湯気。ふっくら炊けた句点にうっとりする。
最後に炊きたての句点を箸で摘んで、一粒ずつ原稿に並べていけば…完成。

ただ書いたり入力するだけでも差し障りはないが、こうして句点に一手間加えるだけで物語全体の読み心地が柔らかくなるから、私は断然「句点は炊く派」!

ちょっと一行つまみ読みしてみようかな?

「七夕が原に住むたぬき一家の子たぬきは、お星さまのない夜が苦手でした。」

心に広がる優しい読み心地。今回の句点も美味しく炊けたよ!
公開:26/07/30 20:31
更新:26/07/30 20:32
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花笑みの旅人( ネモフィラ )

旅人なのでいたりいなかったりします

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