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ある日、息子が蝉になっていた。
正確には、私にだけそう見えた。
妻は平然と、私には蝉にしか見えない息子を抱き上げる。
私は抱けなかった。数本の蠢く脚が気持ち悪かったからだ。
検査は全て「異常なし」。
「この子は、あなたの息子なのよ」
「パパ」
妻の言葉と息子の声を支えに、私はようやく蝉の姿の息子を抱き上げた。
翌朝、息子は人間の姿に見えていた。
週末。
公園で目を離した隙に、息子が木をするすると登っていくのが見えた。
「危ない!」
私は夢中で木によじ登った。
あと少しで手が届いた、その瞬間、足を滑らせた。
目を覚ますと病院だった。
「パパ!」
「あなた!」
「急にパパ、木に登るんだもん。びっくりしちゃった」
「どうして、そんなことしたの?」
その時、窓に一匹の蝉が張り付いた。
私は思わず身を引く。
「パパ、蝉が怖いの?」
夏はまだ始まったばかりだった。
正確には、私にだけそう見えた。
妻は平然と、私には蝉にしか見えない息子を抱き上げる。
私は抱けなかった。数本の蠢く脚が気持ち悪かったからだ。
検査は全て「異常なし」。
「この子は、あなたの息子なのよ」
「パパ」
妻の言葉と息子の声を支えに、私はようやく蝉の姿の息子を抱き上げた。
翌朝、息子は人間の姿に見えていた。
週末。
公園で目を離した隙に、息子が木をするすると登っていくのが見えた。
「危ない!」
私は夢中で木によじ登った。
あと少しで手が届いた、その瞬間、足を滑らせた。
目を覚ますと病院だった。
「パパ!」
「あなた!」
「急にパパ、木に登るんだもん。びっくりしちゃった」
「どうして、そんなことしたの?」
その時、窓に一匹の蝉が張り付いた。
私は思わず身を引く。
「パパ、蝉が怖いの?」
夏はまだ始まったばかりだった。
その他
公開:26/07/23 14:34
更新:26/07/23 18:39
更新:26/07/23 18:39
加賀美 秋彦と申します。
2025年4月から、ショートショートを書き始めました。
色々なジャンルの作品を書いています。
よろしくお願いします。
作品イラストはフリー素材やAIで作成したものです。
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加賀美 秋彦