夢破れぬ

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この街の空は常に薄暗い。人々が垂れ流す身勝手な妄想もとい「夢」が頭から切り離され、電柱のてっぺん辺り、意識と空の間で停滞しているからだ。
私は「夢分別人」として、今日も長いハサミと鉄槌を持ち電柱に登る。夢の処分方法は、それが破れる夢かそうでないかで変わる。「一攫千金」のような妄想はペラペラだ。ハサミでビリビリに切り裂けば済む。一方で、凝り固まった執念深い夢は石のように硬く重い。これらは鉄槌で粉々に打ち砕く必要がある。
切り裂き、砕くたび、他人の欲望の破片が頬を掠める。毎日見続け、私の感情はとうに死に絶えた。ただ機械的に夢を壊し続ける。

ふと上を見上げる。いくら処理しても眼下からは次々と新しい妄想が浮かび上がり、分厚い夢の層は一向に晴れない。いつかこの空を覆う夢を片付け、本当の青空を見たい。そう願った瞬間、私の頭上にも、ゴツゴツした塊が一つ浮かび上がった。
そんなことは、夢のまた夢なのだ。
SF
公開:26/07/28 21:00

黙る子

最近ショートショートを始めた修行中のド素人です。
基本的にnoteにて投稿しております。
一部フォーマットのあったものをこちらでも投稿させて頂きたいです。

note→https://note.com/great_heron1630

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