借金鳥

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今はいない祖父の古書箱を初めて開けてみると、古びた帳簿から一つの黒い羽が落ちた。
窓の外を見ると、電柱の上に黒い鳥が一羽、こちらをじっと見つめている。
翌日、銀行から身に覚えのない督促状が届いた。金額は一円。笑って捨てたが、その夜、鳥は塀の上まで近づいていた。
翌日は十円、その次は百円。借金は日毎に十倍ずつに増え、鳥も少しずつより家へ近づいて来る。
返そうとするもどこにも返済先は明記されてない。
詳細を調べ様と祖父の帳簿をくまなく読むと、最後のページにこう記されていた。
借金鳥は金ではなく、約束を取りに来る。返せるのは、守れなかった約束だけ。
私は五十年程前、また会おうと約束した友人を思い出した。結局、一度も会いには行かなかった。
謝ると風が吹き、黒い羽が白く変わって空へ舞い上がる。その日から督促状は届かなくなった。
それでも夜になると、電柱の上の白い鳥は、密かに私を見つめ続けている。
ファンタジー
公開:26/07/15 14:10

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