赤鉛筆の人
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紙戻し課には、赤鉛筆の人がいる。
その人は、誰にも怒鳴らない。
ただ、戻す紙の端に細い朱線を引く。
印が浅い。
名が違う。
確認が先。
理由が後。
余白が多い。
朱線が増えるたび、紙を出した者の夜番火が少し短くなる。
帰り道の影も、その分だけ薄くなるという。
兼務札を下げたタカシは、戻された紙束を見て笑った。
「赤で書くと、偉く見えるな」
セウゴが止めようとした時、赤鉛筆の人が一本を差し出した。
「前回接触者なら、確認だけお願いします」
タカシは受け取らなかった。
その拍子に、紙束が崩れた。
セウゴは反射的に端を押さえた。
赤鉛筆は、ひとりで転がった。
紙の端が、細い朱線を受け入れた。
確認者未記入。
夕方、セウゴの名札の下に、赤い点が増えていた。
赤鉛筆の人は、少し短くなった鉛筆を削っていた。
その人は、誰にも怒鳴らない。
ただ、戻す紙の端に細い朱線を引く。
印が浅い。
名が違う。
確認が先。
理由が後。
余白が多い。
朱線が増えるたび、紙を出した者の夜番火が少し短くなる。
帰り道の影も、その分だけ薄くなるという。
兼務札を下げたタカシは、戻された紙束を見て笑った。
「赤で書くと、偉く見えるな」
セウゴが止めようとした時、赤鉛筆の人が一本を差し出した。
「前回接触者なら、確認だけお願いします」
タカシは受け取らなかった。
その拍子に、紙束が崩れた。
セウゴは反射的に端を押さえた。
赤鉛筆は、ひとりで転がった。
紙の端が、細い朱線を受け入れた。
確認者未記入。
夕方、セウゴの名札の下に、赤い点が増えていた。
赤鉛筆の人は、少し短くなった鉛筆を削っていた。
ファンタジー
公開:26/07/13 18:00
更新:26/07/10 13:26
更新:26/07/10 13:26
#紙戻し課
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