小六の夏休み

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ぼくのふるさとは小高い山に囲まれている。夏は蝉の声を浴びるように聞きながら、日が暮れるまで遊び倒したものだ。いい思い出だ。
「⋯⋯あの頃のユウキは変わってたよなぁ。時々思い出したように『これって誰かが見てる夢じゃないか』て言ったりしてさ」
「なんだよ、ナオトだって『そうかもな』って答えていただろ?」
十年来の付き合いになる親友はニヤニヤ笑って応じる。
「あれは適当に合わせてただけ! 『オレたち以外全員実在してない存在』だったらおもしれーなくらいの感覚でさ」
次の瞬間、景色が歪み、ぼくたちは十一歳の子供に戻っていた。【外側にいる誰か】の意にそぐわない会話をしたので、十年前からやり直しになったのだ。
ナオトはそいつに悟られないよう、こっそりぼくにささやいた。
「うまくいったな。これでまたしばらく働かなくて済むぞ」
今日から人生三回目の『小六の夏休み』が始まる。
SF
公開:26/07/11 05:08

いちいおと

☆やコメントありがとうございます✨

作品のイラストはibisPaintやAIで作成しています。

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