改善係

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紙戻し課に、改善係の席が置かれた。

差し戻し削減のためだという。
昨日まで空洞席だった場所だ。

机には、紙束と赤鉛筆と呼出札が並んでいる。

「おれの席じゃないよな」

セウゴが言うと、紙戻し騎士長は首を振った。

「席ではありません。改善の置き場です」

タカシは隣で笑おうとして、やめた。

セウゴは紙束をめくった。

同じ名。
同じ戻し。
同じ確認。
同じ呼出。

人足を減らす案を書くはずだった。
だが、どの欄にも最後は同じ言葉が必要になる。

経験者確認。

セウゴは自分の名を探しかけ、指を止めた。

「これを書いたら、また誰か呼ばれる」

騎士長はうなずいた。

「慣れた者に聞くのが、一番早いので」

呼出札が静かに震えた。

タカシは一歩下がった。

セウゴは赤鉛筆に触れず、紙の端だけを押さえた。

朱線がひとりで伸びた。

改善案未完。

騎士長は、何も言わず控えを取った。
ファンタジー
公開:26/07/18 18:00
更新:26/07/10 13:30
#紙戻し課

問い屋

問いを描くショートショートを書いています。
 
その違和感を、
まだ持ったままの人へ。
 
問いの続きを、ここにまとめています。

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