道行き
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川岸で迎えの船を待っていた。
何年経っても必ずと約束したけれど。しわの寄った指を見下ろし、小さく息をつく。
こんなお婆ちゃんになってしまって、彼は分かってくれるだろうか。
「船が来たぞ~!」
渡し守が櫂を振り、白い行列が岸を進んでいく。老若男女入り混じった待ち人達が、光る船上から声をかけられ、軽やかな足取りで船梯子を登る。
「待ちなさい」
恐る恐る登りかけた足を止められた。
「あんたに迎えは来ておらん」
行列は気の毒げに私を避け、粛々と船に収まっていく。甲板で喜び合う人々をよそに拳を握った。
あんなに約束したのに。来てくれると思ったのに。
待つにはやっぱり長過ぎたのか。
「俺の連れです」
同じ岸から、ふいに凛と声が通る。
歩み寄る幼馴染が、別れたままの青年の姿で微笑み、私の手を取った。
「ずっとここで待ってた。一緒に行こう」
半世紀ぶりの指切りが、二つに切れた小指の糸を結び合わせた。
何年経っても必ずと約束したけれど。しわの寄った指を見下ろし、小さく息をつく。
こんなお婆ちゃんになってしまって、彼は分かってくれるだろうか。
「船が来たぞ~!」
渡し守が櫂を振り、白い行列が岸を進んでいく。老若男女入り混じった待ち人達が、光る船上から声をかけられ、軽やかな足取りで船梯子を登る。
「待ちなさい」
恐る恐る登りかけた足を止められた。
「あんたに迎えは来ておらん」
行列は気の毒げに私を避け、粛々と船に収まっていく。甲板で喜び合う人々をよそに拳を握った。
あんなに約束したのに。来てくれると思ったのに。
待つにはやっぱり長過ぎたのか。
「俺の連れです」
同じ岸から、ふいに凛と声が通る。
歩み寄る幼馴染が、別れたままの青年の姿で微笑み、私の手を取った。
「ずっとここで待ってた。一緒に行こう」
半世紀ぶりの指切りが、二つに切れた小指の糸を結び合わせた。
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公開:26/07/06 17:03
ラジオ『月の音色』
月の文学館
テーマ:行列
創樹(もとき)と申します。
葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書きもどきをしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.14執筆&編集
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。
【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞 2022年6月作品集出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞
第二回ひなた短編文学賞 双葉町長賞
いつも本当にありがとうございます!
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創樹