黄昏の忘却

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密陀色の月に問うのは何ですか?
その先に、あなたは何が見えるのか。

一一一一

徒然に思い巡らせ行く先で、
黄昏にそっと重なる影法師。
長く伸びて、宵闇に溶けてゆく。

小気味良く頬をなでる金風に、
ひらひら舞い散る黄金(こがね)の葉。
小さな紅葉手(もみじで)が、
私の手を引き戯れる。

幾重にも降り積もる朽葉色が、
紅葉手の足底(そくてい)に
冷たく軋んで漂い、
衣嚢(いのう)にある拳の中には、
曖昧な感触がこみ上げる...

散り散りに消えかけた、あの文字。
湿り気を帯びて丸まる、
紙切れの重圧。
ただ、とっぷりと薄膜が垂れ下がり、
かりそめの重みが虚空を掴む。

足元の滲む慈光へ、
鈍色(にびいろ)の一滴を、
ポツリ、ポツリと落としていく。

忘却の彼方で何を問うのか、
密陀(みつだ)の月よ。

あぁ、あの先の、
底はかとなく揺れる、 蒼白の籠。
その他
公開:26/07/05 21:32
更新:26/07/05 21:55
散文詩 雰囲気 純文学 切ない

竹緒

竹緒と申します。

作品を訪ねて頂きありがとうございます。
布団の隙間に安らぎを見出す、
隙間愛好家です。
日常のふとした瞬間に爆ぜる、
非日常の温度を日本の伝統色で、
綴っていきたいと思っています。
稚拙な足掻きかもしれませんが、
温かい目で覗いていただけると幸いです。

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