登録解除

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老人の端末に、
朝の通知が来た。

町内会講座で会った先生は、
五年前に亡くなっている。

それでも、
ときどき名が届いた。

先生の企画で
お世話になったあなたへ。

差出人は、
先生の元担当者だという男だった。

老人は棚から、
講座の資料を出した。

端に赤ペンで、

無理に答えなくてよい

とあった。

本文には、
その先生の言葉はなかった。

あなたの普通の経験は、
誰かの役に立ちます。

無料の三本動画を
お受け取りください。

老人は湯呑みを置き、
配信停止を押した。

理由を選んでください。

興味がない。
登録した覚えがない。
先生だと思った。

老人は三つ目を押した。

翌朝、
また通知が来た。

先生だと思ったあなたへ。

経験共有のための
少人数制説明会です。

老人は端の赤い字を
指でなぞり、
資料を閉じた。
SF
公開:26/07/05 08:18
更新:26/07/05 09:02
#構文模倣

問い屋

問いを描くショートショートを書いています。
 
その違和感を、
まだ持ったままの人へ。
 
問いの続きを、ここにまとめています。

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