蛇使い

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 ある国で評判の蛇使いがいた。
 彼が笛を吹くと、籠の中から蛇が鎌首をもたげ、音色に合わせて踊った。客がお金を投げると、蛇は首を上下に動かして応えた。
 彼はその蛇をとてもかわいがっていた。

 宮殿から使いがやってきた。
「王がお前の蛇をご所望だ。一日だけ、蛇とその笛を貸してくれ」
 金を積まれ、蛇使いは蛇と笛を貸してしまった。
 王はやって来た蛇を前にして、笛を吹いてみたが、蛇はとぐろを巻いたまま首を動かそうとしない。
 短気な王は、杖で蛇を打ち据え、蛇は動かなくなった。

「王に従わなかったため、蛇は死んだ。商売道具を失ったお前に王からの志だ」

 王の使いは大金を男に与えて去った。男は蛇の亡骸の前で涙を流し、弔いの笛を吹いた。
 すると、蛇は首をもたげて動かした。賢い蛇は、王に打たれ、死んだふりをしていたのだ。

 その後、男は蛇使いをやめ、蛇をかわいがって余生を送ったという。
 
ファンタジー
公開:26/07/05 07:09

ナラネコ

老後の楽しみに、短いものを時々書いています。
2026年4月から、noteにも投稿始めました。
https://note.com/naraneko

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