本を開けば、雨の降る。。。

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本を開けば雨音が鳴り出す。
ひたん…ひたん…と、柔らかな音で文中に降る雨の名は雨点。

いつ頃だったかな?
文の終わりが「。」で終わると怒っている様に見られたり、冷たい印象を相手に感じさせてしまったりする事があると世間で騒がれ出したのは。

最初はSNSや個人間のメール連絡等から始まり、今では紙の書籍からも句点や読点は姿を消した。
紙媒体を除く媒体では、今まで句読点の振られていた場所に小さな空白が生まれた。

そして紙媒体…つまり本には「雨点」が降る様になった。
雨音を聞きながら読書すると心が落ち着くという声をヒントに、句読点を愛する者達によって生み出された新しい点だ。

文中、文末。
句読点の振られていた空間に絶え間なく降る雨点は、居場所を失った句読点たちの涙にも見える。

ひたん…ひたん…

紫陽花柄の栞を挟み、本を閉じる。
こうすると今までの本と何も変わらない。
しかし開けば雨模様。
公開:26/06/28 19:30
紫陽花ハート

花笑みの旅人( ネモフィラ )

旅人なのでいたりいなかったりします

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