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ある夜、皇帝が死んだ。
後宮の池に落ちて溺れ死んだのだ。
宮廷では噂が広まった。
「先帝は酒に酔い、月を掴もうとして死んだらしい」
新帝は命じた。
「そのような噂は記録に残すな」
では何故、この事が史料に残されているのか。
その顛末はこうだ。
その夜、先帝は寵愛する妃と池を散策していた。
そして、池の月を指差し、
「余があの月を取ってやろう」
そう言って身を乗り出し、足を滑らせた。
その夜から月は不気味な赤色を帯びた。
「先帝が月を掴んだからだ」
噂は都中に広がった。
新帝は命じた。
「後宮の池から月を引き上げるのだ」
家臣たちは池の水を抜き、七日目に白玉の簪を見つけた。
その簪は先帝が密かに作らせていたものだった。
妃はそれを見るなり、涙を流した。
その夜、月は元に戻っていた。
新帝の命により、史官は記した。
「皇帝は月を掴んだ。だが、それは愛する妃のためである」
後宮の池に落ちて溺れ死んだのだ。
宮廷では噂が広まった。
「先帝は酒に酔い、月を掴もうとして死んだらしい」
新帝は命じた。
「そのような噂は記録に残すな」
では何故、この事が史料に残されているのか。
その顛末はこうだ。
その夜、先帝は寵愛する妃と池を散策していた。
そして、池の月を指差し、
「余があの月を取ってやろう」
そう言って身を乗り出し、足を滑らせた。
その夜から月は不気味な赤色を帯びた。
「先帝が月を掴んだからだ」
噂は都中に広がった。
新帝は命じた。
「後宮の池から月を引き上げるのだ」
家臣たちは池の水を抜き、七日目に白玉の簪を見つけた。
その簪は先帝が密かに作らせていたものだった。
妃はそれを見るなり、涙を流した。
その夜、月は元に戻っていた。
新帝の命により、史官は記した。
「皇帝は月を掴んだ。だが、それは愛する妃のためである」
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公開:26/06/24 23:09
加賀美 秋彦と申します。
2025年4月から、ショートショートを書き始めました。
色々なジャンルの作品を書いています。
よろしくお願いします。
作品イラストはフリー素材やAIで作成したものです。
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加賀美 秋彦