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誰かの7月7日が池の中を泳いでいる。

池の淵から方眼紙の様な鱗に並ぶ文字を読もうとしたが、水面を跳ねる日光の粒が所々文字を塗り潰してしまう。

近所のお寺には沈めた日記の1ページが稀に鯉となって泳ぎ出す池がある。何かを求める様に池中を泳ぎ回る日記鯉の姿はなんだか切ない。この前見かけたのは誰かの4月1日だったなぁ。嘘と書きつつ本音に溢れた4月1日。

7月7日(雨)
約束の場〇へ着い〇時、〇の姿はもう〇かった。
〇年ぶりに会えるのを〇だって本当に〇しみにしていたのに。
でも〇じてもらえないのは当たり〇。散〇〇しい想いをさせてきたのだから…

誰かの7月7日はセピア色をしている。
古い日記から生まれた鯉なのかもしれない。
約束の場所に遅れてしまう事をすぐに大切な人へ伝える手段が無かった頃の。

池の淵にいる私に気づくと日記鯉は口をパクパクさせた。
お腹が空いているの?何か話したい事があるの?
公開:26/06/21 21:00
写真は金魚 錦鯉 日記鯉

ネモフィラの旅人( 雨宿り中 )

旅人なのでいたりいなかったりします
6月はガーデンへ紫陽花を咲かせに参ります

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