帽子

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試合に負けた。勝ったチームの笑顔が思い出される。畜生こんなチームの帽子なんか被っておられるか、男が力一杯遠くへ投げると危険防止柵に引掛かった。
その後、数日間雨が降り続け風も吹き、遂に帽子は泥の中に落ちてしまった。
やっと雨も降り止み、泥中から青空を見つめていた帽子は、これで自分も自由になれたと喜び大声で叫んだ。
人の役に立てよと折角俺を作ってくれた職人がいたのに、俺を叩いたり簡単に捨てたり人間は勝手な奴だなぁと帽子は溜息をついていた。
ある日ボールを追いかけて来た少年が、泥紛れの汚い帽子を見つけた。
手にしながら欲しかったチームの帽子だと喜び、家に持ち帰り丁寧に洗い陽に干した。
お陰で見違える程に綺麗になった帽子を被って、少年はチームの応援に行くと見事に勝ち、更にチームは頑張り続け、遂にリーグ落ちの危険すらも無くなった。
帽子は少年に愛され、今も一緒にチームの応援を続けている。
ファンタジー
公開:26/06/18 09:44

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