おすすめS級経典

0
1

「迷った時は、
大きな教えに任せるのよ」

ミラは冊子をトーマの前に置いた。

表紙には、
あなたに合う世界法則診断。
初回無料、返却不可。

中には、
S級経典が並んでいた。

正解だけが残る経典。
死者も住める経典。
失敗談が自動で美談になる経典。
全部燃やして初めからにする経典。

「どれも嫌なんだが」
「選べるって幸せね」

巻末には、
女神おすすめ欄があった。

ミラが筆を取る。

「待て。
 おすすめは誰のおすすめだ」

「わたし」

「最悪だろ」

翌朝、
トーマはお告げギルドの
申請窓口へ冊子を持ち込んだ。

受付官セリが確認する。

「未回答ですね」
「回答しない、という回答です」

セリは巻末を見た。

女神おすすめ欄に、
薄い丸がついていた。

裏には細い字。

未回答処理欄。
女神おすすめ経典。
自動適用。

トーマの再出発札に、
知らない経典名が浮いた。
ファンタジー
公開:26/06/28 12:00
更新:26/06/26 21:36
#お告げ女神と再出発窓口

問い屋

問いを描くショートショートを書いています。
 
その違和感を、
まだ持ったままの人へ。
 
問いの続きを、ここにまとめています。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容