死因欄

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「小さい試練ほど、
魂の奥に効くのよ」

ミラはそう言った。

森の入口にいたのは、
膝ほどの黒犬だった。

トーマは剣を抜いた。

黒犬が尻尾を振る。
剣より先に、
靴紐が噛み切られた。

三十秒後、
再出発窓口で
四枚目の死亡届を書いていた。

受付官セリが、
筆先を止める。

「死因は」
「犬です」
「魔物名でお願いします」
「犬にしか見えません」

ミラが横からのぞき込む。

「試練犬、でどうかしら」
「勝手に格上げするな」

セリは分類表をめくった。

「小型獣ですね」

再出発札に判が押される。

表には挑戦許可。
端には小さく、
通算死亡四回。

裏には細い字。

小型獣による死亡。
補償外。
挑戦実績、一件。
ファンタジー
公開:26/06/22 12:00
更新:26/06/22 06:14
#お告げ女神と再出発窓口

問い屋

問いを描くショートショートを書いています。
 
その違和感を、
まだ持ったままの人へ。
 
問いの続きを、ここにまとめています。

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