第7話:怖く戻された話(添付)

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閉店後、書店の奥で
古い棚が開けられた。

子ども用に整えた本から、
外されたものが
袋に分けられていた。

母の名。
血の跡。
飢え。
婚姻。
処刑。
開けてはいけない部屋。

店員はそれらを
一つずつ量った。

重すぎるものは削り、
軽すぎるものには
赤い帯を巻いた。

棚札には、
大人向け、とあった。

その下に、
初版風味、と
小さく刷られていた。

原本確認欄は、
袋の裏で折れていた。

客はよく手に取った。

子どものころに
怖くなかった話を、
今度は怖がるために。

夜、
売れ残った袋から
白い紙片が落ちた。

母欄。
不一致。
残余。

その下の字は、
帯の糊で読めなかった。

店員は拾い、
新しい袋に入れた。

原本確認欄は、
空いたまま閉じられた。

本物とは、
どこにも書かれていなかった。

ただ、
翌朝の棚は
少し軽くなっていた。
ファンタジー
公開:26/06/20 07:00
更新:26/06/14 05:21
#童話の事後記録

問い屋

問いを描くショートショートを書いています。
 
その違和感を、
まだ持ったままの人へ。
 
問いの続きを、ここにまとめています。

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